判型:A4変型サイズ 240×250mm/頁数:132/ハードカバー

定価:3,600円+税/発売:2010年11月25日

問い合わせ先:株式会社コスモス インターナショナル

写真集『新山清の世界 vol.2 ソルントン時代 1947~1969』

 新山清は1911(明治44)年愛媛県に生まれ、戦前から戦後亡くなる(1969年)までアマチュア写真家として鳴らした人である。アマチュアといっても、戦前は理化学研究所の研究員でカメラやレンズに詳しく、戦後は旭光学に入社し東京サービスセンター所長として濱谷浩をはじめ、植田正治、緑川洋一などと親交を結んだ写真の分野ではプロフェッショナルの人である。人生の多くの時間を自身の写真活動に熱中し、その類い希な造形感覚と主観主義に裏打ちされた作品は、ヨーロッパ、アメリカにまで知られた作家であった。

 2008年、日本カメラ社より出版された前作『新山清の世界 パーレット時代』は、単玉レンズ付きのパーレットカメラから繰り出された数々の名作が評判を呼んだが、今回はレンズも高性能、カメラもソルントンという中判一眼レフに持ち替えて、その造形感覚はさらに冴え、その精密な描写による数多くの作品は、子息の新山洋一さんが「新山清の代表作」と折紙をつけるほどの傑作揃いである。

 掲載作品は、戦前の〈愛媛〉の美しい風景と静物にはじまり、素朴な〈人物〉、独特な〈造形〉、添景に人物を写し込んだ〈スナップ〉、ロングショットとアップの〈風景〉、ユーモラスな〈女性〉、巧みな構成の〈光と影〉、ソラリゼーションなども〈試み〉た実験的な作品へとつづき、最後は様ざまな姿態を見せる〈樹〉に至る。作品数は112点。

 記事には新山洋一のあいさつにはじまり、松本徳彦「新山清のソルントン時代」、ハービー・山口のエッセイ、萩谷剛「新山清が使ったソルントンレフレックス」の解説がある。

©

Studio Ray since 2008